少し前にサンフランシスコとシアトルで実施された臨床試験の結果、「ドキシサイクリンを服用することで淋病、クラミジア、梅毒などの細菌性感染症 (STI) が、かなりの割合で予防できる」というカリフォルニア大学サンフランシスコ校のレポート記事があったと話題になっていたので紹介しておきます。
200mgのドキシサイクリンを3日以内に摂取する事で予防効果有
レポートの内容をざっくり要約すると…「実験はセックスをしてから 3 日以内に 200 ミリグラムの抗生物質ドキシサイクリンを摂取してその後の経過を見る形で行われドキシサイクリンが細菌性感染症の予防に優位であることが確認できた」という内容でした。
昔は何にも感染していないのに抗生物質を飲むと菌が耐性菌になってしまうから飲んじゃダメ!とか言われていたのですが、今の研究では治療薬を飲むことで感染を予防するPrEP法のような考え方の予防法もありますし、これからはこういう予防方法が一般化してくるかもしれません。
確かに予防といえば予防なんでしょうけど…というか、「これって感染者とオーラルセックスやセックスしても、事後にドキシサイクリンを飲んでたら細菌性感染症に発症することなく治ったりしたら予防になる…ってコト!?」って思っちゃいました。この実験も陽性反応が出なかったから予防できたという結論になったと思うのですが実際のところどうなんでしょうね。
セラピストが予防する事で女性のリスクも軽減される?
さてさて、深く考えるとしっくりこないところもあるのですが僕らの様な女性用風俗のセラピスト・セックスワーカーは文中にも記載がありますが細菌性感染症の感染のリスクが高いのでドキシサイクリンによる予防は効果的な戦略だと思いました。
実際のところどれくらい効果があるのかはわからないですが、予防にならないというエビデンスが新たにない現時点では、感染のリスクが高い人はオンデマンドで予防したほうがしないよりは絶対的にではないにせよ女性のリスクも軽減されると考えています。
僕はこのエビデンスを知る前からこれと同じ抗生物質による予防を行っています。実際に予防効果があるかどうかは不明ですが自分の経験ベースでお話をさせていいただくと、過去にご利用いただいた女性からクラミジアに感染したという連絡があった際にクラミジアの検査をしても僕は検査結果で陽性反応が出たことがないです。また感染したと女性が連絡があるまでの期間に関係を持った女性がいた時に、念のため検査のお願いをさせてもらうのですがそこでも陽性反応が出たと報告があったことはありません。
これが予防になってるのか感染してるけど即座に治っているので反応が出なかったのか、あるいは菌に強かっただけなのかは不明なのですがこういった過去の経験上、今回の研究の予防効果は効果があるだろうなと感じています。(あくまで個人の雑な感想です。100%予防できるというものでもないし薬を飲んだ俺だけが治ったみたいな事もあるかもしれません。)
抗生物質の副反応について
ただし抗生物質には短期の使用だと問題にならないことが多いですが肝毒性があるので、もし長期で使用する場合は、定期的に肝機能、腎機能、血液等の検査を行い、使用頻度をなるべく抑えるような工夫をしたほうがよいと思います。
ユーザーは使用したほうがいいのか?
女性がクンニなど粘膜接触をされた後で使用するのも予防に有用だと思われます。ただし抗生物質の内服後はカンジダが発症しやすいので抗生物質の使用は難しいところもあります。(男だと亀頭包皮炎になりやすい)予防効果はあると思いますが、常用すると肝毒性もあるので肝機能障害の原因になる可能性もあるので一般的には疑わしい時や症状が出てから使用するほうがよいと思います。(新しいエビデンスなので使用される場合は自己責任で。)
ドキシサイクリンの入手方法は?
ドキシサイクリンは個人輸入代行で購入できます。(外国製)
オオサカ堂だとジェネリックのビブラマイシン
僕はユニドラのヌドキシー100mg100錠が一番安いのでこちらのジェネリック医薬品を愛用しています。
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元ネタ
原文はこちらで確認することができますが引用記事を下に記載しておきます(僕はネットで翻訳して記事を読みました。)
Doxycycline After Unprotected Sex Significantly Reduced STIs
無防備なセックスの後のドキシサイクリンがSTIを有意に減少させた
Study of Men Who Have Sex with Men and Transgender Women Stopped Early for Effectiveness
男性と性行為をする男性およびトランスジェンダー女性を対象とした試験で、有効性を確認するため早期に中止
A significant proportion of bacterial sexually transmitted infections (STIs) – gonorrhea, chlamydia, or syphilis – were prevented with a dose of doxycycline after unprotected sex, according to preliminary results of a clinical trial that closed early because it was very effective for men who have sex with men and transgender women who are living with HIV or are taking HIV pre-exposure prophylaxis (PrEP).
HIV感染者またはHIV事前曝露予防薬(PrEP)を服用している男性とトランスジェンダー女性に非常に有効であったため早期に終了した臨床試験の予備的結果によると、淋病、クラミジア、梅毒といった細菌性の性感染症(STI)のかなりの割合が無防備な性交渉後のドキシサイクリン投与で予防された。
The results of the clinical trial, conducted in San Francisco and Seattle, have been eagerly anticipated by public health officials and clinicians who are looking for new ways to prevent STIs, which have been on the rise in the United States and many other parts of the world for the past six years.
サンフランシスコとシアトルで実施されたこの臨床試験の結果は、過去6年間に米国や世界の多くの地域で増加傾向にあるSTIを予防する新しい方法を探している公衆衛生当局や臨床医から待望されていました。
Researchers examined an approach known as doxycycline post-exposure prophylaxis (or DoxyPEP), in which people take 200 milligrams of the antibiotic doxycycline within three days of having sex without a condom.
研究者は、ドキシサイクリン暴露後予防法 (または DoxyPEP) として知られるアプローチを調べました。このアプローチでは、人々はコンドームなしでセックスをしてから 3 日以内に 200 ミリグラムの抗生物質ドキシサイクリンを摂取します。
They recruited from public health clinics in San Francisco and Seattle. To qualify, participants had to have had gonorrhea, chlamydia or syphilis, in the previous year. Participants were randomized to receive doxycycline or no doxycycline in an open-label study design.
彼らは、サンフランシスコとシアトルの公衆衛生クリニックから募集しました。参加資格は、前年度に淋病、クラミジア、梅毒に罹患していたことである。参加者は、非盲検試験デザインで、ドキシサイクリン投与群とドキシサイクリン非投与群に無作為に割り付けられた。
The trial was designed to allow an independent team monitoring the trial’s safety to look at interim results, to see if the intervention proved effective enough that it could be stopped early. Data from 554 participants showed that those who were randomized to take doxycycline had substantially fewer infections than those who did not receive doxycycline, and this reduction in STIs occurred both in participants taking HIV PrEP as well as those living with HIV. Doxycycline was generally safe and well tolerated.
この試験は、試験の安全性を監視する独立したチームが中間結果を調べて、介入が早期に中止できるほど効果的であることが証明されたかどうかを確認できるように設計されました。554人の参加者からのデータは、ドキシサイクリンを服用するように無作為に割り付けられた人は、ドキシサイクリンを受けなかった人よりも感染が大幅に少なく、HIV PrEPを服用している参加者とHIVと共に生きている人の両方でSTIの減少が見られたことを示しました. ドキシサイクリンは一般的に安全で忍容性も良好でした。
Researchers said the data support the effectiveness of DoxyPEP to prevent STIs in the population they studied.
研究者らは、このデータは、研究対象集団におけるDoxyPEPのSTI予防効果を支持するものであると述べています。
“At this point, doxycycline after sex is a targeted intervention for certain populations, in this case men who have sex with men or transgender women who have already had an STI in the past year,” said Annie Luetkemeyer, MD, a professor of infectious diseases at UC San Francisco. She led the study with Connie Celum, MD, professor of global health, medicine, and epidemiology at the University of Washington School of Medicine.
「現時点では、セックス後のドキシサイクリンは、特定の集団、この場合、男性とセックスをする男性、または過去1年間にすでに性感染症にかかっているトランスジェンダーの女性を対象とした介入です」と、感染症の教授であるアニー・リュトケマイヤー医学博士は述べました。カリフォルニア大学サンフランシスコ校での病気. 彼女は、ワシントン大学医学部の国際保健、医学、および疫学の教授であるコニー・セラム医学博士とともに研究を主導しました。
“Doxycycline as PEP may be similar to HIV PrEP, which isn’t for everyone, but is an effective strategy for those at increased risk for HIV infection,” Luetkemeyer said. “Future recommendations for doxycycline use as an STI prevention strategy will need to consider effectiveness in different populations, as well as antimicrobial resistance.”
「PEP としてのドキシサイクリンは HIV PrEP に似ているかもしれません。これは万人向けではありませんが、HIV 感染のリスクが高い人にとっては効果的な戦略です」と Luetkemeyer 氏は述べています。「性感染症予防戦略としてのドキシサイクリン使用に関する今後の推奨事項では、さまざまな集団における有効性と抗菌薬耐性を考慮する必要があります。」
The trial has yet to determine whether intermittent use of doxycycline may lead to increased antibiotic resistance in the bacteria that cause STIs or that naturally live on the body, and whether it may lead to negative changes in the bacteria of the gut.
この試験では、ドキシサイクリンの断続的な使用が、性感染症の原因となる細菌や体に自然に生息する細菌の抗生物質耐性の増加につながるかどうか、および腸内細菌に負の変化をもたらす可能性があるかどうかをまだ判断していません.
Researchers will present updated effectiveness and adherence data from the approximately 630 participants who were enrolled by the time the study closed, along with antibiotic resistance data at AIDS 2022, the 24th International AIDS Conference in Montreal, Canada and virtually July 29 to August 2.
研究者は、研究が終了するまでに登録された約 630 人の参加者からの最新の有効性と遵守データを、カナダのモントリオールで開催される第 24 回国際 AIDS 会議である AIDS 2022 で抗生物質耐性データとともに、7 月 29 日から 8 月 2 日まで発表します。
The trial was funded by the National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID), part of the National Institutes of Health, through grant R01AI143439, and conducted at the HIV clinic at Zuckerberg San Francisco General Hospital and the San Francisco City Clinic, both part of the San Francisco Department of Public Health, and the Madison Clinic and the Sexual Health Clinic at Harborview Medical Center, both at the UW Medicine.
この試験は、国立衛生研究所の一部である国立アレルギー感染症研究所 (NIAID) から助成金 R01AI143439 を通じて資金提供を受け、ザッカーバーグ サンフランシスコ総合病院の HIV クリニックとサンフランシスコ シティ クリニックで実施されました。サンフランシスコ公衆衛生局、マディソン クリニック、ハーバービュー メディカル センターのセクシュアル ヘルス クリニック (両方とも UW 医学)。
※以上引用終わり。2022年5月のエビデンスなので閲覧された時期によっては否定されている可能性もあります。またサンプリング対象と異なる条件下では同じ予防効果とならない場合もありますのでご注意ください。