セックスレスの女性が“愛情ホルモン”でホルモンバランスを整える方法

セックスレスが続くと、体の不調だけでなく「心のバランス」まで崩れてしまう女性は少なくありません。
実はその背景には、女性の体内で分泌される“愛情ホルモン”と呼ばれるオキシトシンの減少が関係していることがあります。

オキシトシンは「幸福ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、安心感や信頼感をもたらす大切なホルモンです。
このホルモンを上手に増やすことで、セックスレスによるホルモンバランスの乱れを穏やかに整えることができます。


愛情ホルモン(オキシトシン)とは?

オキシトシンは、脳の視床下部で作られ、下垂体から分泌されるホルモンです。
本来は出産や授乳時に分泌されることで知られていますが、実はスキンシップ・共感・信頼など、愛情を感じる場面でも自然に分泌されます。

オキシトシンが増えると次のような効果が期待できます。

  • ストレスホルモン(コルチゾール)の減少
  • 自律神経の安定
  • 血流や代謝の改善
  • 肌や髪のツヤ・潤いの回復
  • 心の安定とポジティブな感情の増加

つまり、「心地よい人間関係」や「安心できる触れ合い」が増えることで、
結果的に女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)のバランスも整いやすくなるのです。


セックスレスでオキシトシンが減る理由

セックスやスキンシップは、オキシトシンを最も強く分泌させる行為の一つです。
それが長期間なくなると、脳が“愛情不足”の状態になり、ストレスホルモンが優位になります。

結果として、以下のような変化が起きやすくなります。

  • イライラ・不安・孤独感
  • 睡眠の質が悪くなる
  • 月経不順や肌荒れ
  • 性的な感覚の鈍化

これは「性欲がないから悪い」ということではなく、
体が安心できるつながりを求めているサインでもあります。


愛情ホルモンを増やしてホルモンバランスを整える3つの方法

① オナニー

セックスレスの状態が続いても、性的な刺激をまったく断つ必要はありません。
自分で自分の体を優しく触れる「オナニー」は、実はオキシトシンやドーパミンなどのホルモンを分泌させ、心身をリラックスさせる効果があります。
性的快感を得ること自体よりも、「自分の体を大切に扱う」という意識が重要です。
無理に強い刺激を求めず、呼吸を深めながら、気持ちよさや安心感を感じる時間をつくることで、ホルモンバランスが自然に整いやすくなります。
また、体の感覚を取り戻すことは、自己肯定感の回復にもつながります。

② ペットや動物と触れ合う

動物と触れ合う時間は、愛情ホルモン・オキシトシンを増やす最も穏やかな方法のひとつです。
犬や猫を撫でたり、抱きしめたりすることで、安心感やぬくもりを感じることができ、心が自然に緩みます。
ペットがいない場合でも、動物カフェや自然の中で過ごす時間など、“癒し”を感じる瞬間を意識的に持つことで、ストレスホルモンが減り、ホルモンバランスが安定しやすくなります。
「誰かに触れる」「誰かを愛おしく思う」ことは、性行為だけでなく、広い意味での“愛の循環”です。

③ 受け入れる(諦める)

セックスレスを無理に解消しようとしたり、相手を責めたりすることは、かえってストレスを増やし、ホルモンの乱れを悪化させてしまうことがあります。
大切なのは、「今の関係性」を否定せずに受け入れること。
性行為がないことを“失敗”と捉えるのではなく、「関係の形が変わった」と理解することで、心の緊張が解け、オキシトシンが自然に分泌されやすくなります。
また、「セックスを取り戻す」ことに執着せず、穏やかな関係を続けることを選ぶのも成熟した愛の形です。
愛情ホルモンは、安心と信頼の中で最もよく分泌されるもの。
無理に何かを変えようとするより、「今の自分」「今の関係」を受け入れることが、結果的に心と体のバランスを整える最良の方法です。


ホルモンバランスは“愛情ホルモン”で整う

オキシトシンは単なる「性ホルモン」ではなく、心の安心や信頼、つながりを生み出す“愛情ホルモン”です。
セックスレスが続いても、オキシトシンは性行為以外の方法で十分に分泌され、ホルモンバランスをやさしく整えてくれます。
ホルモンの乱れは年齢や体質だけでなく、「どれだけ安心できる関係を築けているか」「自分をどう大切にできているか」と深く関係しているのです。

家族としての愛情があっても、日々の忙しさや役割の変化によってスキンシップが減っていくのは自然なこと。
多くの人が「話し合う」「旅行に行く」「スキンシップを増やす」など、距離を取り戻そうと努力しますが、それだけで関係が戻るとは限りません。

なぜなら、セックスレスの根本には一時的な行動ではなく、関係性や環境そのものの変化があるからです。
恋人同士だった頃のような情熱や距離感をそのまま求めても、今の関係には合わないことが多い。
お互いの立場や心の成熟度が変わった今、求め方が変化するのはごく自然なことなのです。

「どうすればお互いが安心して触れ合える関係を築けるか」を考えたとき、
その答えは“無理にセックスを取り戻すこと”ではないのかもしれません。
セックスパートナーという枠にとらわれず、執着しない、セックスしないことを責めない――
そんな心の余裕こそが、オキシトシン(愛情ホルモン)を分泌させ、結果的にホルモンバランスの安定につながります。

愛のかたちは一つではありません。
「触れ合い」「共感」「癒し」「安心感」など、性行為に限らず愛情ホルモンはさまざまな形で分泌されます。
互いを責めるのではなく、心地よい距離感で愛情を循環させること――
それこそが、ホルモンバランスを整え、心と体の調和を取り戻すための最も自然な方法なのです。

性的な欲求を無理に相手に押し付けるよりも、パートナーが解消してくれない性の不満は自分自身で癒す、あるいは安全な風俗などで安全に解消するという選択も、現実的で健全な折り合いのつけ方の一つです。性の問題を「愛の問題」と混同せず、それぞれが心と身体のバランスを取る方法を見つけることが、最も成熟した関係のあり方だといえるのかもしれません。