「男性とセックスがしたい」と感じるとき、多くの女性はそれを「性欲が強い」と思われがちです。しかし、実際にはそれは“性欲”というよりも、“愛欲”が強い状態であることが多いのです。
性欲とは「生理的な衝動」
性欲とは、本来は性的な刺激に反応して生じる生理的な欲求のことです。ホルモンや神経の働きによって、「性的な快感を得たい」「興奮を解消したい」と感じる――これが狭義の性欲です。
つまり、性欲とは「誰かと」というよりも、自分の体の中で生まれる自然な衝動。オナニーなどで発散できるのも、この性欲が身体的なものであるためです。
「男性としたい」という気持ちは、別の欲求
一方、「男性とセックスがしたい」という気持ちは、単なる性的快感の欲求ではありません。そこには次のような心理的なエネルギーが混ざっています。
- 男性とつながりたい
- 愛されたい、認められたい
- 温もりを感じたい
- 孤独を埋めたい
これらは、生理的な性欲ではなく、“人との関係を求める欲”です。つまり「男性としたい」という気持ちは、性欲だけでなく愛情や親密さを求める欲求が含まれています。
「愛欲」とは、愛と性が混ざった人間的な欲
「愛欲」とは、愛情と性が融合した人間的な情熱の欲を指します。単なる性欲と違い、「この人と触れたい」「抱きしめたい」「愛し合いたい」という感情が中心にあります。
愛欲の根には、愛されたい・一体になりたいという心理的な欲求があります。それは、体の反応というよりも、心の奥で誰かを求める力です。
性欲が強い人と愛欲が強い人の違い
| 欲の種類 | 求めているもの | 満たされ方 |
|---|---|---|
| 性欲が強い人 | 自分の快楽 | 相手がいても相手に依存しない性的刺激で自己完結できる(オナニーも含む) |
| 愛欲が強い人 | 愛・安心・つながり | 相手と一体になる・つながることで欲求を満たす |
「性欲が強い人」は、快楽や興奮といった自分の身体的満足を中心に求めます。相手がいても、それは“相手との関係”より“性的刺激”によって満たされる傾向があります。
一方で「愛欲が強い人」は、快楽よりも相手との一体感や愛情の確認を重視します。相手との関係そのものが欲の中心にあり、心と体の両方で“つながること”を求めるのです。
男性としたい=性欲ではなく、愛欲の表れ
「男性とセックスがしたい」という気持ちは、体の欲ではなく、心が男性を求める欲。それは、性欲よりももっと人間的で、愛をベースにした欲求です。
「男性としたい女性」は、性欲が強いのではなく、愛欲が強い女性。
その欲は、孤独を癒し、愛を確かめようとする――とても人間らしいエネルギーなのです。