セックスレスが続くと、「なんとなく元気が出ない」「肌の調子が悪い」「イライラしやすい」など、体や心の不調を感じる女性は少なくありません。
実はその原因のひとつに、“ホルモンバランスの乱れ”が関係していることがあります。
ここでは、セックスレスによってホルモンバランスが崩れる理由と、その改善方法を詳しく解説します。
セックスレスがホルモンバランスに影響する理由
女性ホルモンは「心の満足」とも深く関係している
女性の体では、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが、月経周期・肌・髪・気分の安定などに関わっています。
これらは単に性行為や出産に関係するだけでなく、「女性らしさ」「幸福感」「自信」などにも大きく影響します。
スキンシップや愛情表現が減ると、脳が“愛情ホルモン”であるオキシトシンや“快感ホルモン”であるドーパミンを分泌しにくくなり、結果としてホルモンバランス全体が崩れてしまうことがあるのです。
ストレスが女性ホルモンの分泌を妨げる
セックスレスが長く続くと、「自分に魅力がないのかも」「女として見られていない」と感じ、強いストレスを抱える女性もいます。
ストレスホルモンであるコルチゾールが増えると、女性ホルモンの分泌を抑えてしまうため、
- 月経不順
- 肌荒れ
- 気分の落ち込み
といった症状が出やすくなります。
セックスレスによるホルモンバランスの乱れのサイン
- 月経周期が不安定になった
- 肌のハリや潤いが減った
- 急に太りやすくなった
- 夜眠れない・朝起きにくい
- 気分が落ち込みやすくなった
- 性的な関心が薄れてきた
これらは「加齢」や「疲れ」だけでなく、パートナーシップの変化や心の充足度の低下も関係している場合があります。
改善方法①:自分の体をいたわり、専門家の力も借りる
まずは「ホルモンの土台」となる生活を整えることが大切です。
栄養バランスの取れた食事(大豆製品・魚・ナッツ類など)、良質な睡眠、軽い運動(ウォーキングやストレッチ)、深呼吸や瞑想などによるストレスケア。
生活リズムが安定することで、自律神経とホルモンのバランスも整いやすくなります。
それでも不調が続く場合は、婦人科や更年期外来などでの相談もおすすめです。
血液検査でホルモン値を確認し、必要に応じて漢方やホルモン補充療法を行うことで改善するケースもあります。
また、カウンセリングや性に関するセラピーを受けることで、心の面から回復する女性も多くいます。
自分ひとりで抱え込まず、体と心の両面からアプローチしていきましょう。
改善方法②:自分の性欲や感覚を否定しない
「もう感じなくなった」「性欲がないのはおかしい」と自分を責める女性は多いですが、
その多くは、性的対象となる男性への興味や信頼感が薄れてしまっていることが原因です。
パートナーとの関係が冷えた結果として“感じなくなった”というケースが多く、決して異常ではありません。
このページでは、セックスレスになってしまった女性を主題としていますので詳しくは触れませんが、
男性に対して不信感を持っている女性、潔癖傾向が強い女性、あるいは過去の経験から性行為そのものに嫌悪感を持っている女性も、
同じように「感じない」「性欲がないのはおかしい」と感じてしまうことがあります。
それは、心が防御反応を起こし、体が“安全ではない”と感じているサインでもあります。
まずは、自分の体を否定せず、「今はこう感じているんだ」と受け入れることが回復への第一歩です。
アロマやセルフマッサージ、半身浴など、自分の体を優しく感じる時間を持つことで、少しずつ感覚や欲求が戻ることがあります。
また、性感マッサージやタントラ的なボディワークなどを通じて、
「感じること=いやらしいこと」ではなく、「感じること=自分を大切にすること」と再認識できるケースも多く見られます。
まとめ:ホルモンバランスは“愛情ホルモン”で整う
ホルモンバランスは、単に年齢や体の問題ではなく、「どれだけ愛されているか」「自分をどう扱っているか」と深く関わっています。
セックスレスの背景には、愛情が冷めたというよりも、関係性や環境の変化によって“愛情ホルモン”がうまく循環しなくなっていることが多いのです。
家族としての愛情があっても、日常の忙しさや役割の変化によって、スキンシップや性的な触れ合いが減っていくのは自然なこと。
多くの人が「話し合う」「一緒に出かける」「スキンシップを増やす」など、距離を取り戻そうと努力しますが、それだけでは回復しないケースも少なくありません。
なぜなら、セックスレスの根本は一時的な行動の問題ではなく、関係性の構造そのものが変化しているからです。
恋人だった頃のような情熱や距離感をそのまま求めても、今の関係には合わないことが多い。お互いの立場、心の成熟、価値観が変わった今は、“求め方”も変化して当然なのです。
「どうすればお互いが安心して触れ合えるか」を考えると、答えは“無理にセックスを取り戻すこと”ではないのかもしれません。
セックスパートナーとしての関係にこだわらず、執着しない、セックスしないことを責めない――そうした心の余裕が、結果的にオキシトシン(愛情ホルモン)の分泌を促し、ホルモンバランスの安定にもつながります。
愛のかたちは一つではありません。
「触れ合い」「癒し」「承認」など、性行為に限らない形でも愛情ホルモンは分泌されます。
互いを責め合うのではなく、“心地よい距離感で愛情を循環させること”こそが、本当の意味でホルモンバランスを整えることなのです。
性的な欲求を無理にパートナーへ押し付けるよりも、パートナーが解消してくれない性的な不満は、外の世界や風俗などで安全に発散するという選択も、現実的で健全な折り合いのつけ方の一つです。
それは必ずしも「浮気」や「裏切り」ではなく、性的な欲求を無理に相手へ押し付けるよりも、性の問題を「愛の問題」と混同せず、それぞれが心と身体のバランスを取る方法を見つけること――それが、成熟した関係のひとつの形だといえるのかもしれません。